鬼剣舞(民俗芸能)
北上市の周辺に伝わる「鬼剣舞」は正式には「念仏剣舞」である。仏の化身である忿怒の形相の鬼面をつけ踊るところから「鬼剣舞」と呼ばれている。修験の祖・役小角が念仏を広めるために、念仏を唱えながら踊ったのが始まりという。こ の踊りの歩行方法に、「反閇」がある。これは陰陽道で用いられる呪術的歩行のひとつで、「大地を踏み悪魔を踏み鎮め、場の気を整えて清浄にする目的で行わ れる。とくに、念仏によって御霊や怨霊を往生させて災厄を防ぐ浄土教の信仰的要素が顕著である。踊りの演目は多くて18種目、一般的には12種目が踊ら れ、踊りの多くは、引き念仏、早念仏、せんや念仏を唱えての輪踊りである。三人加護のように祈祷性の強まった踊りや、刀剣舞の狂い踊りのように武技を思わ せるもの、膳舞、宙返りのように曲芸の要素も入った踊りもある。
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