京都の西に位置する妙心寺の山内には40余りの塔頭がありますが、退蔵院はそのうちでも屈指の古刹として知られています。
今から600年前(西暦1404 年)、室町時代の応永年間に無因宗因禅師を開山として建立されました。無因宗因禅師は妙心寺で高徳のきこえ高く、第3世をおつとめになっていました。
退蔵 院は当時の京洛に居を構えた波多野出雲守重通の無因宗因禅師への深い帰依によって作られました。そのころ妙心寺は足利義満の弾圧で名を竜雲寺と変えられ、 関山一派の人々も祖塔を去る悲運に見舞われました。
無因宗因禅師は高徳を惜しまれて大徳寺へとの誘いがありましたが、固く辞して西宮の海清寺に隠棲し、つ いに時の有力者たちに終生近寄ることがありませんでした。
退蔵院は応仁の乱で妙心寺とともに炎上しましたが、亀年禅師によって再建されました。
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